夢のせいだろうか。
 昔のことを思い出したのは。
 なのはがいてはやてがいるそんな風景。

 起き上がって着替えると朝食の準備を始める。
 そう……あの日もそうだった。
 思い出されたのは……数年前の朝の風景。

 とある世界の風景……


「おはよう、はやて」
「フェイトお姉ちゃん、おはよう」

 目の辺りをこすりながら、パジャマ姿であらわれたのは末っ子のはやて。
 いつもは同じくらいに起きてくるはずの、もう一人の姿がない。

「あれ、なのはは?」

 ふるふると首を振るはやて。

「そっか、もうすぐ朝ごはんできるから、起こしてきてもらえるかな?」
「うん」

 こくりと頷くととてとてと廊下を走っていく背中を見送る。
 昨日も晩くまで起きていたようだから、ちょっと寝坊したのだろう。
――最近は疲れているみたいだし……そうだ。

 料理をお皿に盛り付け終わると、キャトルでお湯を沸かし始めた。

    ◇

 しばらくすると制服に着替えた二人がリビングに顔を出す。

「おはよう、なのは」
「お姉ちゃん、おはよう」
「はやて、ありがとうね」

 くしゃりと頭を撫でると、嬉しそうに目を細めるはやて。
 その表情に自然と頬がゆるむ。

「ご飯さめちゃうよ」

 ちょっとふてくされた声が聞こえてくる。
 
「そうだね、ほら。座って」
「は〜い」

 二人が席に着くと、私もいつもの席につく。
 
「それじゃ食べよう。さめないうちに」
「「「いただきます」」」

 三人で手をあわせて言うのは、小さい頃からの習慣。
 できるだけ時間を合わせて、一緒に食べるようにするのがルールになっていた。
 あまり一緒にいる時間がとれなくなってきているので、この時間は貴重なものになっている。
 そして食事の間、向かいの席で二人の様子を見るのが、私の楽しみのひとつでもある。
 特に今日みたいなあることをした日には……

 なのはとはやてには癖がある。
 二人とも最初に必ずといっていいほどトーストを一口かじってから飲み物を飲む。

「「あ」」

 二人そろってこちらを見る。

「「これって……」」

 さすが姉妹。
 ここまでそろうと、なんとも面白い。

「どうかした?」

 それぞれのカップに入っているのは、少し砂糖の入ったミルクティーと、ミルクたっぷりのココア。
 前者はなのはの、後者ははやてのお気に入り。

「「すごくおいしい」」

 満面の笑顔で紡がれたその言葉に、心の奥がぽかぽかあたたかくなる。

「ん。よかった」

 いつもは一種類になる朝の飲み物。
 でもこんな笑顔が見れるなら、たまにはいいかもしれない……
 そんなことを思いつつブラックコーヒーの入ったカップを傾けた。



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長女 フェイトさん 20(この話の時、14)
大学2年生
家事全般OK
武道の心得あり
妹に甘い
お気に入り ブラックコーヒー

次女 なのはさん 17 (この話の時 11)
高2
風紀委員
武道の心得少しあり
おねえちゃんこ
お気に入りはミルクティ

三女 はやてさん 15 (この話の時 9)
図書委員
武道の心得なし
お姉ちゃん大好き
お気に入りはココア

 なんか思いついた走り書き←



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