これはいったいどういう状況なのだろう……
「あ、あの……フェイトちゃん?」
「ん?」
「な、なんでこんなかっこうなのかな?」
嬉しそうに自分を抱きかかえている本人に聞いてみることにした。
「ん……」
フェイトちゃんが小首をかしげると、ふわりと広がったシャンプーの香りに鼓動が早くなる。
「なのはのあったかさがよくわかるから……かな」
耳元で囁かれた言葉はどこまでも甘くて。
さらりと髪をなでる手は優しくて。
いつもより少しだけ近くなった距離。
ただそれだけなのに、どうしようもなくなる。
この早い鼓動が聞こえてしまいそうで落ち着かない。
「だめ?」
申し訳なさそうにこちらを伺うフェイトちゃん。
その表情をされると弱い。
「うー」
だってその表情は……
「……じゃ……い」
私だけに向けてくれるものだから。
狙ってやってるのでは?と思う時もあったが、きっと無自覚なのだろうと思う。
「なのは?」
「だめなんかじゃ……ないよ」
返事の代わりにきゅっと抱きしめられた。
フェイトちゃんの香りと温もりがいっそう強くなる。
「なのは」
「なに?」
「大好きだよ」
その言葉に……想いがあふれ。
その温もりに……何も考えられなくなる。
「……ばか」
赤く染まっているであろう顔をフェイトちゃんの胸に埋めた。
END
もとはこちらのイラストです。
ハチさんのイラストの妖艶な雰囲気がかけらも残っていないという不思議←
気づいたらできてたんです、すみません(滝汗
掲載許可をくださったハチさん。本当にありがとうございました。